研究課題/領域番号 |
18591876
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
小海 康夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20178239)
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研究分担者 |
氷見 徹夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90181114)
稲垣 真澄 国立精神・神経センター, 室長 (70203198)
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キーワード | 神経科学 / プロテオーム / 難聴 / 内耳 / 生体分子 |
研究概要 |
感音難聴の30-50%にコネキシン26(Cx26)をコードするDFNB1/GJB2の変異が認められ、Cx26の機能異常は感音難聴の中心的な要因をなす。しかし、なぜCx26の変異が、聴力に障害をもたらすのか。なぜ高周波音での異常がもたらされやすいのかなど、多くの点が不明である。Cx26の生理機能を明らかにすることが難聴発症のメカニズム解明につながる。その目的のために内耳特異的なCx26結合分子を同定する目的で以下の実験を施行した。 (1)タンパク質分子間相互作用は、遺伝子工学によって解析することは大変困難である。また、内耳は極めて微小な器官であるため、大量の蛋白質を抽出精製することも不可能である。それゆえ、Cx26にFLAGをつけた機能的なCx26をトランスジェニックにて発現する遺伝子組み換えマウスを作成する。 (2)内耳、腸などでの結合蛋白質の解析を質量分析を用いて比較する(Differential display)ことによってのみ結合蛋白質の解析が可能な系を確立する。 本年度は、Cx26を安定して発現する遺伝子組み換えマウスを作成した。マウスクラスI抗原プロモーター下にFLAGにてラベルしたCx26cDNAを結合したトランスジーンを作成し、受精卵にインジェクションし遺伝子組み込みをサザン法PCR法にてスクリーニングした。その結果2ラインのFLAG-Cx26を安定に発現するトランスジェニックマウスが得られた。さらに、これらのマウスの聴力検査を行い、正常の聴力であることを確認した。次に、得られたトランスジェニックマウスにおけるFIAG-Cx26タンパク質の発現を免疫染色にて組織レベルで確認した。様相どおり、ほぼ全身にトランスジーンのタンパク質発現が確認された。(739文字)
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