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2007 年度 実績報告書

頭頸部癌に対する有用性の高い分子標的療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18591877
研究機関横浜市立大学

研究代表者

佃 守  横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (70142370)

研究分担者 三上 康和  横浜市立大学, 医学研究科, 准教授 (10322356)
キーワード頭頸部癌 / 分子標的療法 / EGFR
研究概要

当科で樹立した頭頸部扁平上皮癌細胞株では腫瘍増殖を最も担うEGFRの発現が強弱はあるものの16種全てに認められた。EGFR-tyrosine kinase inhibitor(TKI)の感受性に関連するExon19,21のmutationは16種全ての細胞で観察されなかった。さらにEGFRの遺伝子変異を解析したところ、tyrosine kinase domainのexon20にのみヘテロのsilent mutationが検出された。Exon20がwild typeの細胞とexon20にヘテロのsilent mutationのある細胞でEGFRのタンパク発現レベルおよびEGFR-TKIの一つであるgefitinibに対するIC50値を比較したところタンパクの発現レベルに有意な差はなかったが、IC50値はwild typeと比較してmutationのある細胞群で有意に低値であった。すなわちこのexon20のmutationがEGFR-TKIに対する頭頸部扁平上皮癌の感受性を規定していると考えられた。また、EGFRとheterodimerを形成し、増殖に働くHER2の発現をウエスタンブロットにて検討したところ、全ての細胞株においてHER2が発現していた。しかしHER2阻害作用をもつ抗体であるherceptin単独処理によっては16種の全ての癌細胞株に対して抗腫瘍効果はほとんどみられなかった。そこで、頭頸部扁平上皮癌細胞に対するgefitinibとherceptinとの併用効果について検討した。頭頸部扁平上皮癌細胞に対するherceptin単独の抗腫瘍効果は非常に弱いが、gefitinibと併用することにより16株中6株で抗腫瘍効果が増強した。すなわち頭頸部扁平上皮癌細胞ではHER2がEGFRとheterodimerを形成し、下流へとシグナルが伝達することが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Involvement of EGFR in the response of squamous cell carcinoma of the head and neck cell lines to gefitinib2008

    • 著者名/発表者名
      Tsukuda M, Taguchi T
    • 雑誌名

      Oncology Reports 19(1)

      ページ: 65-71

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Head and Neck頭頸部癌 IV.頭頸部癌に対する分子標的療法2007

    • 著者名/発表者名
      佃 守
    • 雑誌名

      癌と化学療法 34巻7号

      ページ: 1034-1039

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Anti-tumor effects of bevacizumab in combination with paclitaxel on head and neck squamous cell carcinoma.2007

    • 著者名/発表者名
      Tsukuda M, Fujita K
    • 雑誌名

      Oncology Reports 18

      ページ: 47-51

    • 査読あり
  • [学会発表] 臓器・機能温存を目指したがん治療2007

    • 著者名/発表者名
      佃 守
    • 学会等名
      第108回日本耳鼻咽喉科学会臨床セミナー
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2007-05-19
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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