研究概要 |
我々は、本研究において好酸球性副鼻腔炎とアスピリン性喘息を伴う鼻茸の粘膜に存在するCD34^+肥満細胞前駆細胞を、MACS sortingにて単離する。これをSCFとIL-6の存在下に96穴培養プレートでメチルセルロースを用いたcolony cultureを行い、鼻茸粘膜由来肥満細胞を培養した。 培養した鼻茸粘膜由来肥満細胞から、約10^7個の培養肥満細胞のmRNAを分離し、これより逆転写反応でcDNAを合成し、biotin化標識核酸とRNAポリメラーゼにてbiotin化cRNAを作製した。このcRNAは断片化後、Genechipのオリゴプローブとハイブリダイゼーションさせた。その後蛍光標識したストレプトアビジンを2次反応させ、各プローブに結合したcRNAの蛍光強度をレーザースキャンで測定し、各遺伝子の発現量をコンピューターで解析した。 鼻茸粘膜におけるTLR1,2,3,4の発現を免疫組織学的に検索し、TLR2,3,4の発現を明らかとした。鼻茸に発現しているMMP1(コラゲナーゼ),2(ゼラチナーゼ),3(ストロメライシン),9(ゼラチナーゼ),13(コラゲナーゼ)とTIMP1,2を、それぞれの抗体を用いて免疫組織学的に検討した。MMP2、9、13の発現を認め、またMMP9の発現が最も高く認められた。 鼻茸粘膜におけるTLR2,4を発現している細胞を確認するために、抗CD3、MBP、トリプターゼ抗体と、TLR2,4抗体を用い、二重染色し免疫組織学的に検討している。さらに抗tryptase抗体,抗CD3抗体、抗MBP抗体を用いて、鼻茸においてMMP2,9,13やTIMP1,2,を産生する細胞を、二重染色で検討、またMMP2,9,13とTIMP1,2を、ELISAにて測定検討している。鼻茸粘膜における肥満細胞でMMP9の発現が認められた。
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