研究課題/領域番号 |
18591891
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
後藤 穣 日本医科大学, 医学部, 講師 (80281426)
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研究分担者 |
大久保 公裕 日本医科大学, 医学部, 助教授 (10213654)
島田 健一 日本医科大学, 医学部, 助手 (60343597)
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キーワード | 花粉症 / 鼻アレルギー / 免疫療法 / 舌下免疫療法 |
研究概要 |
免疫療法は長期寛解や治癒を期待できる治療法である。しかし、現在本邦で行われている注射法による免疫療法では、長期間の通院が必要なことやアナフィラキシーショックを起こす可能性があるので一般医家には普及していない。安全な免疫療法を実現するために局所免疫療法の一つとして舌下免疫療法が考案されている。免疫療法の作用メカニズムは、従来の注射法の場合にはT細胞がアナジーになったり、リンパ球比率がTh2からTh1へと偏倚したりすることによってアレルギー反応が減弱すると考えられている。しかし、舌下免疫療法では、このような治療メカニズムが未だ十分には解明されておらず不明な点が多い。本研究では、治療効果のメカニズムの解明につながる免疫学的反応について、特に口腔粘膜局所での免疫細胞の動態について検討した。 舌下免疫療法の効果発現に重要な細胞として口蓋扁桃の樹状細胞が有力であると考えられている。口腔粘膜に舌下投与した抗原が、ワルダイエルリング(リンパ組織)の主要な部位である口蓋扁桃において外来異種蛋白としてまず初めに認識される可能性がある。本研究では、第一段階としてスポンジで口蓋扁桃表層を擦過して得られる細胞成分をマイクロアレイによって網羅的に解析した。口腔内、特に扁桃組織には常在細菌も存在するので、どうしても細菌由来の成分が混入してしまう。症例によっては測定データに信頼性が乏しいものもあったが、今回4例中2例の測定を行い次のデータを得ることができた。 2症例ともに増加した遺伝子は91、2症例ともに減少した遺伝子は216だった。これらの遺伝子の機能を検討することによって、舌下免疫療法の作用機序にかかわる現象について検討を加えたい。今後は有力な遺伝子を絞り、鼻粘膜上皮、口蓋扁桃上皮に発現するものをmRNAレベルで比較する予定である。
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