研究課題/領域番号 |
18591894
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
|
研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
萩森 伸一 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (90291799)
|
研究分担者 |
高巻 京子 大阪医科大学, 医学部, 助教 (40368105)
峰晴 昭仁 大阪医科大学, 医学部, 助教 (80465616)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
キーワード | 乳突蜂巣 / 中耳粘膜 / 培養細胞 / Air-Liquid-lnterface / 再生医学 |
研究概要 |
中耳手術中に採取したヒト乳突蜂巣粘膜32検体について培養を試みた。粘膜片を、抗菌薬およびプロテアーゼ添加のMEM培養液に採取した試料を入れ、2時間ロッキングしながら冷所にてincubate、化学的あるいは物理的に剥離した細胞およびメスにて骨壁より鋭的に剥離した粘膜細胞を、コラーゲンコートした細胞培養皿もしくはフラスコで一次培養した(Bronchial epithelial growth medium(BEGM)使用)。7〜14日間の培養でconfluentになるか否かを倒立式顕微鏡下に観察した。その結果32検体中9検体において、confluentとなった。confluentになった細胞群をTypsin/EDTAにて培養皿から遊離させた後、細胞数をカウントし、12mmカルチャーインサートに細胞を播種した。Air-Liquid-Interfaceの環境下にて一次培養に用いたものと同様の培養液にて一週間培養を行ったのち、パラフィン切片を作製した。上皮系細胞の指標であるcytokeratin、線維芽細胞の指標としてvimentinを免疫染色したところ、培養細胞はcytokeratin陽性、線維芽細胞陰性であり、乳突蜂巣粘膜の特徴を有すると考えられた。今回の培養方法において、一次培養でconfluentとなった粘膜細胞の大部分は、若年患者から採取した粘膜由来であった。これは中耳手術後に若年患者では乳突蜂巣の再含気がしばしば観察される、即ち再生能に優れていることと関連すると思われる。中耳粘膜再生の最終目標は、全ての患者の中耳を再含気化させる培養粘膜シートの確立である。本法は更に改良を加えることで、乳突蜂巣粘膜培養の一方法として今後臨床応用が期待できる。
|