研究概要 |
日本人(東北地方)緑内障患者においてMYOC遺伝子、WDR36遺伝子のスクリーニングを行い、その頻度、その変異の臨床像、表現型・遺伝型の間の関係を検討した。またその変異が正常コントロールで1%以上見られる一塩基多型であるならば、正常対照との相関解析を行い、そのアリルが優勢のモデル、劣性のモデルにつき統計的解析を行った。検体として原発開放隅角緑内障(POAG)136例、正常眼圧緑内障(NTG)103例、正常対照118例を用いた。MYOC遺伝子に関しては、若年発症の緑内障の症例において、Ala363Thrの変異を2症例に、中高年発症のAsn297Hisの変異を1例に認めた(現在投稿準備中)。WDR36遺伝子に関しては、全18エクソンを解析した。Monemi(Hum Mol Genet.2005)らの報告したAsn355Ser, Ala449Thr, Arg529Gln, Asp658Glyは見られなかった。しかし典型的なPOAGにおいてエクソン17にSer664Leu(TCG>TTG)の変異を認めた。またIle264Val, IVS16-30A/Gの多型がPOAGに、IVS8+20C/Tの多型がPOAGとNTGにおいて、変異アレル優性としたモデルの解析から、遺伝子型と表現型が関連していることを始めて明らかにした。この結果はInvestigative Ophthalmology & Visual Scienceに投稿、現在修正のため追加実験中である。また発達緑内障先天型のAxenfeld-Rieger症候群において新規の変異Ala85Pro,フレームシフト変異437-453del17を見出し、Molecular Visionに投稿中である。
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