共焦点走査型レーザー眼底検査(HRTII)による日本人の視神経乳頭の解析 平成15年に実施した緑内障検診の1173人を解析した結果、検診受診者の平均視神経乳頭面積は2.30±0.50mm^2であった。過去の白人のデータより大きく人種による差があることが明らかとなった。 前眼部解析装置(Pentacam)による閉塞隅角症スクリーニングにおけるカットオフ値の決定 緑内障外来のデータを基に、各パラメーターと閉塞隅角症の感度・特異度のROCカーブを作成した。その結果、前房容積、前房深度が閉塞隅角症の検出に有用であった。 人間ドックに併設した緑内障検診の実施 2006年1月から6月にNTT西日本金沢病院の1泊2日人間ドックを受診した801名中、事前の説明で同意の得られた795名に緑内障検診を実施した。男性729名、女性66名。平均年齢52.6(30-65)歳。ドック1日目にスクリーニング検査として非接触式眼圧測定と無散瞳眼底カメラにてステレオ眼底撮影、Frequency Doubling Technology (FDTスクリーナー)のC-20-5プログラムおよび神経線維層解析装置(GDxVCC)を行った。その中で眼圧、ステレオ眼底写真、FDTおよびGDxVCCのいずれかに異常がみられた方または判定不能であった方に二次検診を行い、その結果を詳細に検討した。その結果、緑内障検診受診者795名中、二次検診対象者は341人で二次精査受診者は322人であった。二次検診の結果、緑内障と診断された人は39名(5.0%)で、全て(広義)原発開放隅角緑内障であった。緑内障患者のうち今回初めて緑内障と診断されたいわゆる潜在患者は21名(55.2%)であった。GDxVCCおよびFDTの感度・特異度はそれぞれ69.5%・87.2%および89.8%・76.8%であった。
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