研究課題/領域番号 |
18591913
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
近藤 峰生 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (80303642)
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研究分担者 |
寺崎 浩子 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40207478)
中村 誠 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (60283438)
伊藤 逸毅 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 特任助教授 (10313991)
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キーワード | 網膜色素変性 / モデル動物 / ウサギ / ロドプシン / 網膜電図 / 視細胞 / 網膜変性 / トランスジェニック |
研究概要 |
網膜色素変性の治療に向けた実験に用いる中型モデル動物を作成する目的で、ヒトにおける網膜色素変性と同じ遺伝子変異を有するトランスジェニックウサギを作出する実験を行なった。ニュージーランド白色種ウサギ(NZW)のBAC遺伝子ライブラリーを入手し、ハイブリダイゼーション法でウサギロドプシン遺伝子を含むウサギゲノムBACクローンを取得した。その後、ウサギロドプシン遺伝子においてPro347Leu変異を持つフラグメントを構築し、プラスミドベクターにサブクローニングした。このベクターを高純度に精製してウサギ受精卵にマイクロインジェクションした。その後、得られた産子の組織サンプルのDNAを解析した結果、合計10匹のトランスジェニックウサギのファウンダーを得ることに成功した。現在は、この10匹のファウンダーを正常なウサギと交配させてF1世代のトランスジェニックを得る段階に至っている。実際に10のラインのうち、最も早く出産した#7と#8のラインのF1個体の網膜電図を調べたところ、生後3か月の段階で網膜電図の振幅がそれぞれ、1/2と2/3にまで減少していることが確認された。各ラインの間での個体の表現系は非常に安定していた。今後は10のラインの個体の網膜変性のスピードを調べ、治療に向けたモデル動物に適したラインをいくつか確立する予定である。今回我々が作成に成功した網膜色素変性ウサギは、眼球の大きさが大きく、かつ実験に広く用いられているウサギであることから、網膜色素変性の治療実験として国際的に広く用いられるモデル動物になる可能性があると考えられた。
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