研究課題/領域番号 |
18591913
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
近藤 峰生 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80303642)
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研究分担者 |
寺崎 浩子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40207478)
中村 誠 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60283438)
伊藤 逸毅 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特任准教授 (10313991)
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キーワード | トランスジェニック / ウサギ / 動物モデル / 網膜変性 / 視細胞 / 網膜色素変性 / 網膜電図 / 中型動物 |
研究概要 |
平成19年度は、平成18年度に作成に成功したロドプシン遺伝子変異ウサギ(Tgウサギ)の系統を樹立して、進行性の網膜変性を確認することを目的とした。ウサギロドプシン遺伝子のPro347Leu変異を有したファウンダーは合計10匹産まれたが、この中で次世代のF1に変異遺伝子を伝えることができたのは6匹であり、合計6つのラインのTgウサギが確立できた。DNA解析による推定BACコピー数は1から30と様々で、FISH解析によってファウンダー5匹は単一部位に組み込まれ、1つのファウンダーは二つの部位に組み込まれていることがわかった。RT-PCRによって定量した変異遺伝子の発現量(全ロドプシンに占める変異ロドプシンの割合)は単一組み込みの5つのラインで約7%から80%と様々であり、ほぼBACコピー数に比例していることがわかった。電気生理学的検査により、特に発現量の多いライン7、8、16では明らかに進行性網膜変性を示すことがわかった。網膜電図によればライン7の杆体成分の反応は生後1年ではほぼ消失しており、錐体反応はその時点で正常の半分程度残存していた。組織学的検査によっても進行性の視細胞変性が確認され、ライン7では約1年で外顆粒層の核数が1-2層まで減少し、免疫組織学的検査によって特に杆体視細胞の変性が強いことが確認された。また、電子顕微鏡検査によって既に生後6週の時点で明らかな視細胞外節の短縮と不整がみられた。これらの変化は実際のロドプシンP347L変異を有する網膜色素変性患者の所見に非常によく類似していることがわかった。
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