研究課題/領域番号 |
18591917
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
板谷 正紀 京都大学, 医学研究科, 講師 (70283687)
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研究分担者 |
辻川 明孝 京都大学, 医学研究科, 助 (40402846)
尾島 知成 京都大学, 医学研究科, 助教 (00402834)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 光干渉断層計 / 緑内障 / 網膜神経節細胞 / 網膜神経線維 |
研究概要 |
Full field OCT画像の光源としてハロゲンランプを用い、摘出豚眼を用いた実験系において、波長幅、画像視野、CCDの画素数、などの撮影条件を変えて比較検討し、臨床的に適切な条件として、光源の波長幅120nm、画像視野850μm×850μm、CCD画像数500×500が最適であることを見いだした。この条件で深さ方向のスキャン幅は2μmとなる。この条件により、網膜神経節細胞は低反射円形像として描出され、網膜神経線維は、その内部の線維束が描出された。さらに、網膜神経節細胞および網膜神経線維の3次元再構築法の検討と定量方法の考案を行った。得られた画像を、3次元画像処理用ソフトウエアで処理し、網膜の3次元像を再構築した。これにより、個々の網膜神経節細胞体が球状の低反射物として描出された。また、網膜神経線維層が立体的に描出され、各神経線維束が観察された。網膜神経節細胞は、立体的に配置するため、2次元的な断層撮影では描出はされるが、その数を網羅的にカウントとすることは難しい。しかし、3次元で描出されたことで、個々の細胞体に相当する低反射球の数をカウント可能となった。網膜神経線維層は、線維束が立体的に織り込まれた構造を取り、このような画像は従来見ることができなかった。従来は、網膜神経線維は層の厚みとして計測されるため、線維束間の余白空間も計測されてしまっていたが、今回の3次元描出で、網膜神経線維の実体だけを定量することに道を開く画像であることを示すことができた。これに加え、複雑な立体構造をとる視神経乳頭篩状板の3次元観察にも成功し、複雑な舗状板構造の細部を観察できることを示せた。以上の成果は、人で本技術が応用可能となったとき、画期的な緑内障早期診断技術の確立につながることを示唆し、本技術の実用化を進めるべきである根拠となる。
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