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2007 年度 実績報告書

神経保護効果を有する硝子体手術用灌流液の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18591924
研究機関香川大学

研究代表者

白神 史雄  香川大学, 医学部, 教授 (50187530)

研究分担者 廣岡 一行  香川大学, 医学部, 助教 (10325350)
山地 英孝  香川大学, 医学部, 助教 (30363196)
白神 千恵子  香川大学, 医学部, 助教 (40444731)
キーワード硝子体手術 / 虚血再灌流 / 神経保護 / 希少糖 / グルタミン酸
研究概要

眼虚血状態での硝子体手術を施行し、D-アロースやMK-801を含むBSS灌流液を使用することによる網膜機能、組織に対する効果について検討した。術後7日目の網膜電図のb波の振幅は、術前を100%とすると無添加のBSS灌流液使用群(C群)C群では64%であったのに対してMK-801添加灌流液使用群(M群)では82%、Dアロース添加灌流液使用群(D群)では94%となり、C群に比べD群においてのみ有意に減弱が抑制された(対応のないt検定、P<0.05)。また組織学的検討では神経節細胞数と内顆粒層の厚みは、僚眼を100%とした場合C群では各々41%、61%であったのに対してM群では各々81%、100%、D群では各々66%、94%でM群、D群ともに障害の抑制が認められた(対応のないt検定、P<0.05)。以上の結果から、硝子体手術時の高眼圧による虚血状態によって網膜は機能的、組織学的にも障害を受けるが、灌流液中にMK801、D-アロースを追加することにより障害の抑制がみられた。MK801では構造的な保護効果のみであったが、D-アロースでは機能的な保護効果もみられた。これはDーアロースのグルタミン酸の放出の抑制作用によるものと思われる。すなわち、眼虚血状態で行う硝子体手術では、灌流液中に追加したD-アロースが網膜機能、組織の障害に対して神経保護的に作用する可能性が示唆された。この成果を受けて、平成20年度では神経保護作用のある灌流液の臨床開発に向けて、更に実験を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Macular hole surgery with triamcinolone acetonide-assisted internal limiting membrane peeling.One-year results.2008

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Nomoto, MD, Fumio Shiraga, MD, Hidetaka Yamaji, MD, Koki Fukuda, MD, Tetsuya Baba, MD, Ippei Takasu MD, Hiroshi Ohtsuki, MD.
    • 雑誌名

      Retina 28

      ページ: 427-432

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Macular Edema Associated with Latanoprost Use in a Patient with Idiopathic Juxtafoveal Retinal Telangiectasis2008

    • 著者名/発表者名
      Tetsuya Baba, Mikio Nagayama, Hiroshi Ohtsuki, Kazuyuki Hirooka, Fumio Shiraga.
    • 雑誌名

      Jp.J Ophthalmol 52

      ページ: 68-70

    • 査読あり
  • [学会発表] 眼虚血状態での硝子体内手術による網膜障害に対するD-アロースの保護効果2008

    • 著者名/発表者名
      溝手 雅宣、廣岡 一行、福田 恒輝、白神 史雄
    • 学会等名
      厚生労働省難治性疾患克服研究事業網膜脈絡膜・視神経萎縮症調査研究班平成19年度班会議
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      2008-01-18
  • [学会発表] 正常眼圧緑内障の視野障害の進行と中心角膜厚2007

    • 著者名/発表者名
      廣岡 一行、馬場 哲也、高岸 麻衣、佐藤 志乃、溝手 雅宣、白神 史雄
    • 学会等名
      第61回日本臨床眼科学会
    • 発表場所
      京都市
    • 年月日
      2007-10-12

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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