研究課題/領域番号 |
18591937
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
澤 充 日本大学, 医学部, 教授 (40010475)
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研究分担者 |
岩田 光浩 日本大学, 医学部, 講師 (50193751)
稲田 紀子 日本大学, 医学部, 助教 (10307837)
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キーワード | 涙液 / 眼表面疾患 / アレルギー結膜疾患 / ヘルペス角膜炎 / 抗原特異的抗体 / Eosinophil cationic protein (ECP) / 酵素免疫測定法 / 臨床検査法 |
研究概要 |
1.アレルギー角結膜疾患(ACD)の病態の検討と診断キットの開発 (1)18年度に引き続き、涙液をもちいてACDでの原因抗原の検索および重症度判定法の確立を行った。重症度に関し(1)重症所見(活動性巨大乳頭、輪部堤防状隆起など)、(2)中等症所見(ビロード状結膜、眼瞼炎など)、(3)軽症所見(結膜濾胞、瞼結膜充血など)の抽出を行い臨床での有用性を明らかにした。眼表面疾患の基本所見をまとめアトラスを作成した。 (2)涙液中Eosinophil cationic protein(ECP)を指標としてEIA法で測定し、アレルギー疾患群の間での差を検討した。正常対照比で春季カタル(VKC)、アトピー結膜炎では有意の上昇がみられたが季節性アレルギー性結膜炎では有意差がなく診断的指標としてはVKCにおいてのみ有用と考えられた。 (3)春季カタル(VKC)と巨大乳頭結膜炎(GPC)との病態の検討 VKC症例を10歳未満とそれ以上とに分類検討した。10歳未満ではアトピー性皮膚炎との合併かつ、難治例が多く、年齢の増加に伴い感作抗原数の増加、複雑化することを明らかにした。VKCとGPCの病態をアレイ法で涙液中サイトカイン、ケモカインを検討した。可溶性IL-6受容体は両者で、Eotaxin-2はVKCでのみ有意の増加(正常対照比)がみられたが、両者間での明確な相違は得られなかった。 (4)涙液中のECP、IgE抗体の臨床応用可能な測定キット(イムノクロマト法)を開発するために抗原を家兎の皮下にアジュバントとともに注射し、腹水の培養上清から得た各クローンのIgクラス判定、抗体力価測定をELISAで行い、臨床応用可能な検査キットの原型が開発できた。 2. HSV特異的IgA抗体測定法の臨床応用可能なキットを開発し、その診断的意義を臨床像、PCR法との比較で検討し、実質型ヘルペスでの有用性を明らかにした。
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