研究概要 |
ラット横隔膜ヘルニア群(CDH)での肺血管では、angiopoietin-1の発現量は優位に低下、ET1、ET1 receptor A,Bは優位に増加、VEGF、angiopoietin-2、ephrinA1,B2、PDGFb、各receptorの発現量は正常群と差を認めなかった。この結果からCDHでは肺動脈壁肥厚にET1が大きく関与していることが考えられ、ET1 receptor antagonistを用いて、肺動脈壁の肥厚を抑制できるか検討した。母胎投与されたET1 receptor antagonistにより、胎児CDH群の肺動脈壁肥厚は優位に抑制されたことから、CDHにおける肺動脈壁肥厚にはET1、ET receptorの発現量増加が大きく関与していると考えられ、ET1 antagonist投与による胎児治療の可能性が示唆された。
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