研究課題
基盤研究(C)
【目的】小児固形悪性腫瘍をターゲットとしたSeV導入樹状細胞を用いた免疫遺伝子治療法の臨床応用のための前段階として、小動物による効能試験と免疫学的解析、さらにサルを用いた大動物による安全性試験の実施と臨床応用レベルのベクターの生産、及び、臨床試験実施のための種々の委員会の承認などのインフラ整備を目的とする【対象と方法】マウスはA/Jマウスを使用し、細胞株はA/Jより自然発生するC1300を使用した。A/Jマウスの大腿骨、腓骨の骨髄より骨髄前駆細胞を採取し、これをIL-4、GM-CSFのサイトカイン下に一週間培養して樹状細胞を採取した。樹状細胞を活性化させるため、LPS、SeV-GFPのそれぞれと8時間共培養した。SeVの感染効率および樹状細胞の活性化マーカーの測定をFACS analysisを用いて検討した。ついで十分に生着した腫瘍に対する有用性を検討するため、マウスの腹部皮下にC1300を1×10^6/100ulを接種し、その10日後、17日後、24日後に樹状細胞を1×10^6/匹投与し、その腫瘍体積を測定し、無治療群、DC群、DC/LPS群、DC/SeV-GFP群で比較した。またIFNβのin-vitroにおける腫瘍細胞に対する直接作用の検討を、IFNβを0-10000U/mlの各濃度下に腫瘍細胞を48時間培養した後、(1)細胞数をカウントして細胞障害性の評価(2)FACS analysisを用いてMHC class Iの発現の評価を行った。【結果】樹状細胞へのSeVの感染効率は90%以上と高いものであった。また樹状細胞の活性化はLPSとほぼ同等の活性化を示した。十分に生着した腫瘍に対する樹状療法における腫瘍体積の比較では、DC/SeV-GFPではコントロールより有意な腫瘍増殖抑制効果を示した。IFNβによる腫瘍細胞への直接作用は、濃度依存性に細胞障害を認め、MHC class Iの発現の増強を認めた。
すべて 2006
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