研究分担者 |
脇坂 宗親 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30267596)
草刈 百合子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (80318948)
古田 繁行 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (80350619)
藤脇 伸一郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (60278009)
小池 淳樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (40308440)
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研究概要 |
妊娠羊を用い胎生60日に羊胎仔尿路閉塞モデルを作成する.これらの羊は妊娠時期を指定させ,農場からWellington病院の動物舎までトレーラーで運搬し,胎児超音波を用いて胎仔の生存を確認する。ついで、全身麻酔下に帝王切開で胎盤を付けたまま胎仔の一部を娩出させ,雄では陰茎尿道と尿膜管,雌では膀胱頚部と尿膜管をサイラスディックチューブで結紮し尿路閉塞モデルを作成する.過去の生存率が85%なため統計学的な有意さを示すために30匹の羊に胎仔手術を行った。また、尿路閉塞により萎縮膀胱が認められたため、膀胱内圧を測定し、尿路閉塞により起こる膀胱壁の変化についても検討した。 尿路閉塞後3週間ですでに腎臓のMCDK様の変化が認められており,3週間で膀胱-羊水腔シャントを作成するとその50%では正常な腎が確認され、同様な治療を行っても20%に萎縮腎、30%にMCDKが認められ、ネフロン発生に大切な役割を担うnephrogenic zoneが破壊された場合萎縮腎となった。そこで、今回は膀胱-羊水腔シャントをおこなった胎仔を術後14日に屠殺し、胎児治療による腎の初期の変化をとらえた。40胎仔を手術したが母羊の死亡により16匹を失った。5匹の尿路閉塞モデルでは、2週間後にシャントをおこなった満期での腎の変化はすべて水腎症を呈しておりMCDKを呈したものはなかった。しかし、残る5匹の尿路閉塞のサイラスティックチューブが自然脱落し、これに関して次年度追加実験が必要と考えた。また、2週間後のシャントモデルで、腎臓の変化は防止することができる可能性が示唆されたが、膀胱壁は厚く、pressure volume curveは3週間モデルと同様であった。Shamoperationとして、正常胎仔の膀胱にシャントチューブを挿入したが、胎仔期の排尿サイクルを消失させることで尿路閉塞と類似した膀胱変化が認められた。 これらのことから、次年度は尿路閉塞2週間での尿路閉塞モデルをさらに作成し、腎臓、膀胱壁の経時的変化をとらえ、統計学的な有意さがでるようにしたい。
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