研究課題/領域番号 |
18591959
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児外科学
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
北川 博昭 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (80153097)
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研究分担者 |
脇坂 宗親 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30267596)
佐藤 百合子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (80318948)
古田 繁行 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (80350619)
藤脇 伸一郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (60278009)
小池 淳樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (40308440)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 胎児手術 / 尿路閉塞 / 水腎症 / 多嚢胞 / 胎児治療 / 膀胱機能障害 |
研究概要 |
胎児期の尿路閉塞で多嚢腎(MCDK)が形成され、それが胎児治療で改善可能かどうか、その明確な回答は得られていない。そこで羊胎仔尿路閉塞モデルを用いて、一定期間をおいて、膀胱-羊水腔シャントを作成したモデルを完成させ、腎の発達を観察した。 はじめに、羊胎仔を用いて尿路閉塞モデルを作成した。帝王切開で胎仔を子宮から一部体外に出して、臍帯をつけたまま胎生60日に雄では尿膜管と陰茎尿道、雌では尿膜管と膀胱頸部を結紮した。その後子宮内で管理し、3週間後に帝王切開を行い、膀胱瘻、あるいは尿道瘻を作成し尿路閉塞を解除した。胎仔は再び子宮内に返却され、満期の145日まで農場で管理した。満期には再度帝王切開で胎仔を娩出させ、縊死後病理学的検討を行った。 その結果11匹のシャント成功例のうち、2匹にネフロンの少ない萎縮した小さな腎臓(oligo nephronia)が認められた。また3匹に嚢胞の形成されたMCDK様腎組織が認められた。6匹(55%)に正常と考えられた腎組織が得られた。 羊胎仔の実験結果と臨床の長期予後と正常腎を呈する比率は同じであったが同じ時期にシャントをおこなっても、異なる腎組織が得られたことの解析はできなかった。しかし、今までの実験から尿路閉塞後初期の変化としてとらえられた近位尿細管の拡張が、その後のネフロン形成を阻害し、MCDKとなると仮定すると、胎児治療によるシャント後はこの拡張が改善するか、あるいはnephrogenic zoneから新たなネフロンが形成されるかが考えられた。胎児治療においては、尿路閉塞の起こる時期と、胎児治療となるシャントの時期がその後の腎の発達に影響すると考えられる。またシャントにより、萎縮した膀胱が形成され、常に膀胱の内容を保つシャントチェーブが出生後の膀胱機能を維持するのに必要と思われた。
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