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2006 年度 実績報告書

毛包部と表皮部におけるKeratinocyteの対虚血反応の相違ー虚血と脱毛ー

研究課題

研究課題/領域番号 18591962
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東北大学

研究代表者

今井 啓道  東北大学, 病院, 助手 (80323012)

研究分担者 山田 敦  東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60107662)
鳥谷部 荘八  東北大学, 病院・助手 (90375006)
清野 広人  東北大学, 病院・助手 (30400344)
キーワード深部毛包細胞 / 浅部毛包細胞 / 虚血耐性 / 皮弁 / 72kd-heat shock protein / 虚血性脱毛
研究概要

平成18年度の研究目的
皮弁の阻血時間が長くなると、遅延性に脱毛が起こることは経験的に知られている。これは表皮の壊死が生じないのとは対称的である。ストレス蛋白質として知られるHSP72は、表皮や食道など常にストレスに曝されている細胞では持続的に発現し、ストレスによる細胞死を防ぐ働きがあることが最近報告されている。今回我々は皮弁の虚血ストレス後の脱毛へのHSP72の関与を検証するため、深部・浅部の毛包細胞におけるHSP72の発現形式の差異を比較した。
平成18年度に行った研究方法
Wister系ラット40匹を用いた。Epigastric Vesselsを茎とした下腹部皮弁(2.5×4.5cm)を挙上した。8時間血行を遮断した群、2時間血行を遮断した群、血行を遮断しなかった群(Sham)それぞれから、再還流後8時間、24時間、48時間、96時間に皮弁を採取し、組織学的評価と共に免疫組織学的染色を行った。
研究結果
浅部毛包細胞は、虚血時間、再還流後の時間に関わらず持続してHSP72が発現していた。深部毛包細胞は、Sham、2時間虚血群では浅部毛包細胞同様に持続してHSP72が発現していた。しかし8時間虚血群の深部毛包細胞では再還流後8時間まではHSP72が発現していたが、24時間、48時間、96時間ではHSP72は発現していなかった。
これまでの結果からの考察
深部毛包細胞において、8時間虚血後のHSP72の発現は一過性で、持続的発現を認めなかった。同様の反応を示す脂肪細胞が虚血再還流後7日目に細胞死を生じることが我々の研究から明らかになっている。皮弁虚血後の脱毛には、HSP72が持続的に発現しないことによる深部毛包細胞の細胞死が関与する可能性が示唆された。
以上の内容を平成18年10月12日、第15回日本形成外科学会基礎学術集会で発表した。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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