創傷治癒過程では、相互に細胞増殖因子や細胞接着因子が複雑な関連を構築しながら互いに影響し合っている。慢性創傷においてはそもそもの血行が不安定であるため、細胞増殖因子がどの様に係わっているのかを追求することは至難の業である。今回、その中の1つであるインテグリンの発現と皮膚の上皮との関連を研究した。 慢性潰瘍においては血流そのものの減少はあるものの、表皮細胞辺縁から潰瘍に上皮細胞が進展する時に、インテグリンそのものも少ない 急性創傷においてはインテグリンα5β1の発現をup-regulateしていた。さらにラミニンにおいても、急性創傷では基底層底部に形成されていたが、褥瘡の様な慢性創傷では発現をregulateしていないことが分かった。
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