敗血症性ショックは、感染によって引き起こされる重篤な全身性炎症反応で、サイトカインやNOが過剰に産生される。NOはsuperoxideと反応し毒性の強いperoxinitriteが生じこれがDNAを障害しpoly(ADP-ribose)synthetaseを活性化する。これにより細胞内のDNAやATPが枯渇し細胞死にいたる。したがって、poly(ADP-ribose)synthetaseを阻害することにより、敗血症性ショックの病態を改善することが期待できる。本研究ではpoly(ADP-ribose)synthetase活性阻害薬である3-aminobenzamide腹腔内投与により、LPSとzymosanの腹腔内投与によるラット敗血症性ショックモデルにおける血行動態、サイトカイン産生、臓器障害に及ぼす影響を検討する。まず、3-aminobenzamideを前投与後にLPSとzymosanを腹腔内投与して、その効果を検討する。良い結果が得られたら、敗血症性ショックモデル作成後に3-aminobenzamideを投与してその効果を検討する。
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