本年度はマウス背部に温蒸気を用いて熱傷モデルを作製するところから開始した。死亡せずかつ中等度の侵襲を与えるために体表面積の20%、4秒間の温蒸気暴露による全層熱傷作製方法を試行錯誤の結果選択した。 免疫能を検討するための脾細胞の遊離は当初の予定通り行った。すなわち無菌的に摘出した脾臓は10%仔牛血漿加RPMI1640培地で洗浄後、脾細胞をスパーテルにて遊離する。細胞懸濁液はナイロンメッシュを通した後赤血球を溶血除去した後1000xg、4℃、5分間遠心し10^7cell/mlの10%仔牛血漿加RPMI1640培地に浮遊させる。 採取した脾細胞を用いて、F4/80陽性の脾マクロファージをgatingしMHC class II発現状態を観察した。熱傷作製14日目には対照と比べ有意なMHC class II発現低下を認めた。すなわち熱傷によるimmunoparalysisモデルの確認ができた。 次に免疫賦活作用を有するCpG ODNの影響を検討する目的でオリゴヌクレオチドの作製を行った。Kreigらの報告に従って5'-TTCATGACGTTCCTGATGCT-3、塩基配列のCpG ODNを作製した。 本CpG ODNの免疫系に与える影響を確認する目的で、熱傷マウスより採取した脾細胞とex vivoでincubateしMHC class II発現に及ぼす影響を確認した。CpG ODNのdose-dependentにMHC class II発現は、賦活化された。 現在in vivoにおけるCpG ODNの脾臓マクロファージMHC class II発現に及ぼす影響を確認中である。
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