研究課題/領域番号 |
18591992
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
救急医学
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研究機関 | 国立循環器病センター(研究所) |
研究代表者 |
神谷 厚範 国立循環器病センター(研究所), 循環動態機能部, 室員 (30324370)
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研究分担者 |
杉町 勝 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 部長 (40250261)
川田 徹 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室長 (30243752)
上村 和紀 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室員 (10344350)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 集中治療医学 / 人工呼吸 / 循環 / 心拍出量 / 自動治療 / 医用生体工学 |
研究概要 |
開ループ型心周期人工呼吸を試作開発し、さらにこれを基に、心拍出量を増加させる閉ループ型心周期人工呼吸を設計した。パソコンから人工呼吸器を外部制御して、気道内圧を自在に調節する圧制御系を設計製作した。この圧調節によって、呼吸数固定で、分時換気量を制御して換気パラメタ(動脈血酸素・二酸化炭素分圧、pH、肺コンプライアンスなど)を適切に維持しながら、心収縮期には陽圧負荷して胸腔内圧増加させて後負荷低下させ、心拡張期には陽圧解除し胸腔内圧低下させて前負荷増加させ、心拍出量を増加させるような仕様とした。この際、肺損傷を防ぐため、陽圧には15mmHg程度の上限値を設けた。次に、この装置システム、麻酔下イヌを対象に試す動物実験を行った所、実際に換気を維持しながら、心臓ポンプ機能を有意に増加させ、末消血管抵抗を有意に低下させて、心拍出量を5-10%増加させることが出来た。さらにこの人工呼吸システムは、薬物治療による循環管理システムと融合した時に、呼吸によって心拍出量を増加できるため、循環を管理維持するのに必要な強心薬量を低減できることを、動物実験で観察した。人工陽圧換気、特に呼気終末陽圧換気(PEEP)は、心拍出量を大きく低下させるため、循環器疾患を原疾患とする患者や、循環予備力の足りない高齢者に循環不全を招く危険が大きいが、現在の集中治療医学では、人工呼吸が循環動態に及ぼす影響には、十分な注意を払われていないのが、現状である。本研究で開発した閉ループ型心周期人工呼吸は、医工学融合によって産み出された、循環管理にも役立つ新しい人工呼吸管理であり、将来、集中治療医学の呼吸循環管理に役立つように期待される。
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