研究課題
基盤研究(C)
遺伝性・腫瘍性低リン血症に伴う骨形成障害の所見から、骨局所におけるリン酸調節とリン酸代謝調節因子の役割が推察される。この視点に立ち、私たちはラットを用いた様々なモデルにより以下の結果を得た。1.私たちは、骨形成の一連の過程、すなわち骨芽細胞の増殖と分化、基質形成、石灰化のうち、石灰化のみを評価できるモデルを作製した。2.ナトリウム依存性リン酸(NaPi)トランスポーター選択的阻害剤フォスカネットを用い、骨芽細胞におけるNaPiトランスポーターが血中リン酸レベルとは無関係に骨の石灰化に関与することを明らかにした。3.現在報告されているNaPiトランスポーターのうち、骨芽細胞における機能的NaPiトランスポーターは、タイプIII(Pitl)であり、これが骨の石灰化のトリガーとなることを機能獲得・損失実験により確認した。4.リン酸代謝調節因子、線維芽細胞増殖因子(FGF)23が骨(骨芽細胞など)、歯(象牙芽細胞など)で強く発現されることを明らかにした。アデノウイルスを用いてFGF23を骨芽細胞で過剰発現すると、FGF受容体がリン酸化され、それに伴い骨の石灰化が抑制された。これらの結果は、骨の石灰化における骨芽細胞のリン酸代謝調節因子の重要性を示唆するものであり、その調節は骨、歯科疾患の新たな治療ターゲットとして期待される。
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J Bone Miner Res (Epub adead of print)
J Bone Miner Res, Epub ahead of print
Bone 40
ページ: 1565-1573
Mol Cell Biol 27
ページ: 4465-4474