研究課題/領域番号 |
18592005
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
内藤 真理子 長崎大学, 大学院・医歯薬学縦翻究科, 助教 (20244072)
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研究分担者 |
坂井 詠子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10176612)
吉村 篤利 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70253680)
大原 直也 国立感染症研究所, 免疫部, 室長 (70223930)
中山 浩次 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80150473)
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キーワード | 感染症 / 細菌 / P. gingivalis / 血小板凝集 / Adhesin / Hgp44 |
研究概要 |
これまでの研究でP. gignivalisの血小板凝集活性の活性中心は本菌の蛋白分解酵素遺伝子から切り出された成熟型の接着分子HGP44であることを明らかにした。が、このHGP44の宿主側のレセプター分子はまだ未定である。HGP44はヒトの赤血球凝集能も有すことから、広くHGP44分子のヒト細胞への接着について検討した。赤血球凝集には血小板凝集と同様にHGP44はC末端が切断されたものが活性型であった。またC末端の断片の合成ペプチドによって赤血球凝集の阻害効果が得られた。またさらに両端からdeletionしたリコンピナント蛋白質では血小板凝集活性、赤血球凝集活性が失われていた。活性中心を検索する為、点変異を導入したリコンビナント蛋白質を作製した。が、安定な可溶体を得ることができなかった。HGP44とその抗体を用いた免疫沈降実験によりHGP44は赤血球上のglycophorinに結合することを示した。またHGP44は血球細胞だけではなく、上皮細胞にも結合することを免疫蛍光染色にて確認した。また口腔上皮細胞ではgingipainによるIL-8産生抑制が観察されるが、その抑制にはHGP44を始めとするgingipain由来の接着分子が必要であることがわかった。本研究室では本件期間中に基準株として使用しているP. gingivalis ATCC 33277株の全ゲノム塩基配列を決定した。得られた結果より本菌のゲノム上にHGP44に代表されるgignipain関連接着分子の遺伝子はこれまでに知られているKgp、RgpA、HagAのほかに4つ検出した。またginigipain遺伝子の発現、輸送を調節する複数の調節遺伝子を検出した。これらの結果からgingipain由来の接着分子は宿主細胞へ多彩な生理活性を及ぼす事、またその発現が多数の遺伝子の協調作用によってなされていることが示唆された。
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