研究課題/領域番号 |
18592020
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
明坂 年隆 朝日大学, 歯学部, 教授 (70116523)
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研究分担者 |
吉田 寿穂 朝日大学, 歯学部, 助手 (80102119)
鈴木 礼子 朝日大学, 歯学部, 助手 (90333723)
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キーワード | 破骨細胞 / ポドゾーム / 細胞骨格 / アクチン関連蛋白 / コロイド金 / 細胞剥離 / 急速凍結 / ステレオペア観察 |
研究概要 |
本研究では基本技術が電子顕微鏡レベルでの細胞破砕、急速凍結、回転蒸着レプリカ、ステレオ写真などとなっており、分離培養破骨細胞との組合せで細胞の超微形態を解析できることになる。一連の技術的問題は解決され安定した試料作製が可能となった。細胞剥離と凍結固定の組合せは破骨細胞接着側膜面の分化形態と細胞骨格の構築をナノメーターレベルで構造解析が可能である。接着構造としてのポドゾーム細胞骨格は膜面粒子の介在によって連結されている。この所見は今まで色々なモデルが提唱されているが今回初めて構造的に可視化することができた。またポドゾーム細胞骨格の初期形成には既存の細胞質中のアクチン線維の延長で形成されるのではなくde novo的に細胞辺縁部に形成され、初期にはアクチン線維ではなくArp2/3やG-アクチンが集積し後にF-アクチンが形成されポドゾーム構造として可視化できるようになると考えられる。レプリカ像からも線維を伴わないそれらの物質に代表されるアクチン関連蛋白の集積(界面活性剤に対して抵抗性がある)からポドゾーム形成が観察される。ポドゾームは単なるF-アクチンの束ではなく三次元的に分岐するF-アクチンの骨格構造を示すダイナミックに変化する構造である。シグナル伝達の場としての破骨細胞における接着装置ポドゾームにもArp2/3,コータクチン、ダイナミン、WASp (Wiskott-Aldrich Syndrome protein)の局在が蛍光像、TEMレベルの超微構造からも解析できた。またGFPにアクチンタグを付けたものを破骨細胞に導入しポドゾーム構造でのアクチンの発現を時間的に追跡したところそれらのポドゾームドットの離散集合は5分以内に起こることが判明し、ポドゾーム形成はダイナミックに変動する接着構造であることを明らかにすることができた。これらの所見の一部については2006年9月3〜8日の間に札幌で開催された第16回国際顕微鏡学会シンポジムCryoelectron microscopy of biological specimensのセッションで発表した。また第38回日本臨床分子形態学会(宇部)、第48回歯科基礎医学会(横浜)、第112回解剖学会(大阪)において発表した。
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