研究概要 |
1)rCLCA1のsubcellularな局在解析 免疫電顕,confocal laser顕微鏡を併用して解析を行った。前年度までにrCLCA1の局在を確定していた唾液腺導管細胞内で,rCLCA1抗体はapical membraneおよび細胞内endosomeに存在する分子を標識した。rCLCA1より主要な働きを行っていると推測されているCFTR分子について,同様の検討を行ったところ呼吸器系上皮で報告されているsubcellularな局在と同様に,apical membraneにのみCFTR分子は存在していた。クロライド、チャネルの機能に密接に関与していると仮説を立てたP2Xs,P2Ys受容体のうち,P2Y2受容体はこれらのクロライド、チャネル関連分子のうち,CFTR分子の局在と一部colocalizeすることが判明し,薬物投与によりP2Y2受容体の働きは塩素イオン再吸収と連動していることを解明し,論文報告を行ったた。 2)正常および病理的状態の細胞、組織における細胞増殖能,アポトーシス活性,接着分子の解析 StaurosporinによりDSL-6A細胞にアポトーシスを誘導させた場合に,細胞接着に関連する諸因子のうちintegrin β群の発現の増強がみられた。しかし細胞接着能は低下した。この時,細胞はTUNEL陽性率の上昇,Ki-67による細胞増殖能の低下を示しており,確実にアポトーシスの誘導は起こっていた。当初,アポトーシスの誘導により,integrin β群分子の発現低下が起こり,その結果細胞の接着能が低下すると仮説を立てていた。integrin βの発現については,仮説とは逆の結果を得たので,今後慎重に解析を進めたい。
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