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2006 年度 実績報告書

新規カルシウム動員メッセンジャー環状ADPリボースの痛覚伝導における役割

研究課題

研究課題/領域番号 18592036
研究種目

基盤研究(C)

研究機関広島大学

研究代表者

森田 克也  広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (10116684)

研究分担者 土肥 敏博  広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (00034182)
森岡 徳光  広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (20346505)
北山 友也  広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (60363082)
北山 滋雄  岡山大学, 大学院遺歯薬学総合研究科, 教授 (80177873)
キーワード環状ADP-リポース / 痛覚伝達制御 / 抗アロディニア作用 / 神経因性疼痛 / 鎮痛薬
研究概要

抜髄,抜歯時の神経損傷は慢性痛覚過敏や軽い接触刺激等の非侵害刺激を痛みとして感じるアロディニアを引き起こす.痛覚伝導におけるリアノジン受容体を介するCa^<2+>動員系の役割について,リアノジン受容体のメッセンジャーとして機能することが示唆されているcyclic ADP-ribose(cADPR)を用いて検討した.
実験はマウスを用い,薬物は脊髄くも膜下腔内投与(i.t.投与)した.
・cADPRのi.t.投与により10日間以上持続するアロディニアを誘発することを見い出した.
・cADPR誘発アロディニアはcADPR阻害薬8Br-cADPR前処置により抑制された.さらに,cADPR生合成の基質となるβ-NAD^+のi.t.投与によっても同様のアロディニアを誘発し,cADPRはアロディニアの形成および維持機構に重要な役割を果たしていることを明らかにした.
・cADPR誘発アロディニアはリアノジン受容体チャネル阻害薬ryanodineおよび細胞内Ca^<2+>プール枯渇薬thapsigarginにより寛解した.さらに,リアノジン受容体を活性化する4-chloro-m-cresolのi.t.投与によってもアロディニアが発現することを明らかにし,cADPRによるアロディニア誘発にリアノジン受容体チャネルを介したCa^<2+>動員作用が関与することを示した.
・8Br-cADPRのi.t.投与は坐骨神経部分結紫およびCFA足蹠皮下投与によるアロディニア反応およびホルマリン足蹠皮下投与による疼痛関連行動を抑制した.
以上,cADPRは脊髄において病態生理学的疹痛の発症,維持に重要な役割を果たしており,その機序にリアノジン受容体を介した細胞内Ca^<2+>ダイナミックスの変化が関与することを明らかにした.
このような結果を踏まえ最終年度となる来年度はcADPR関連物質が新しい疼痛抑制薬となる可能性について更に検討を進めたい.

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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