研究課題/領域番号 |
18592039
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
根本 孝幸 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90164665)
|
研究分担者 |
馬場 友巳 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60189727)
山田 慎一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50380853)
金谷 直子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教務職員 (10380982)
小早川 健 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教務職員 (10153587)
根本 優子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10164667)
|
キーワード | Hsp90 / 分子シャペロン / ダイマー / アイソフォーム |
研究概要 |
ヒトには異なる遺伝子にコードされる2つのアイソフォーム、Hsp90αとHsp90βが存在する。両者の物理化学性質の違いとしてHsp90βのダイマー形成能が低下していることが知られている。そこ差はC末側の543-685アミノ酸内に局在するアミノ酸の変異による(Nemotoら、1995)。そこで本研究では、その領域のアイソフォーム置換している16アミノ酸を、Hsp90β型からHsp90α型へ置換し、大腸菌2-ハイブリッド法でダイマー形成能を定量的に解析した。その結果、16種類の中で5アミノ酸の置換においてダイマー能の有意な上昇が見られた。特にAla566>THr、Met629>Alaの置換ではHsp90αレベルまでダイマー形成能が回復した(小早川ら、Cell Stress & Chaperones印刷中)。ヒトHsp90には、アミノ酸変異を伴うミスセンス変異が2例報告されている。そのうちHsp90αの488番目のGlnがHisに置換したケースでは、酵母Hsp90発現系を用いた実験によって、この変異型HSP90が機能できないこと示されている。この変異がHsp90のどの機能を変化させるのかを検討した。その結果、ダイマー形成能はHsp90α同士、Hsp90と変異型Hsp90、変異型Hsp90同士の順に低下した。この結果はGln488>Hisの変異がHsp90のダイマー形成能の低下をもたらすためにHSP90が機能しないという可能性を示してしる。Gln488はほとんどのHsp90ファミリータパク質で保存されているものの、マウスやヒトのミトコンドリア型Hsp90であるTrap1ではThrに置換していた。そこでHsp90αのGln488をThrに置換したところ、ダイマー形成能が保たれた。この結果からもこの位置のアミノ酸がダイマー形成に重要であることが支持された。
|