研究課題
基盤研究(C)
ピロカルピンは催唾剤として認可されており、唾液分泌を促進し、口渇感を軽減するために使用される。しかし、その作用については余り判っていない。最近、われわれは催唾剤ピロカルピンをラット腹腔内および脳室内に投与すると飲水行動が誘発されること、この行動は脳室内アトロピン前投与により消失することを明らかにした(佐藤ら、J.Dental Res.2006)。また、飲水を起こす量の脳室内ピロカルピン投与では、唾液分泌は誘発されないことも明らかにした。これらのことは、ピロカルピンは直接唾液腺腺房細胞に働いて唾液分泌を促進させる一方、中枢のムスカリン受容体を刺激することにより飲水行動を誘発することを示唆している。このことは、臨床でピロカルピンを使用する場合には、注意を要することも示唆している。今回の科研交付により、われわれは、c-fos免疫組織化学法を用いて、腹腔内および脳室内ピロカルピン刺激による脳内のc-fos発現部位について調べた。ピロカルピンの腹腔内への投与により、前脳部位(脳室周囲器官、視床下部)および延髄(弧束核、最後野)でc-fos発現細胞数が増加した。唾液核ではc-fos発現細胞はほとんど観察されなかった。脳室内ピロカルピン投与でも、上記と同じ部位にc-fos発現細胞数の増加を観察した。脳室内アトロピン前投与により腹腔内および脳室内ピロカルピン投与によるc-fos発現細胞数は減弱した。以上のことは、腹腔内に投与したピロカルピンは、催唾剤として働くばかりでなく口渇および体液調節中枢に作用し飲水行動を誘発する可能性を示唆する。
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