研究課題/領域番号 |
18592044
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
加茂 政晴 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (40214564)
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研究分担者 |
帖佐 直幸 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (80326694)
陳 明珠 岩手医科大学, 歯学部, 研究員 (30438501)
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キーワード | 癌転移抑制遺伝子 / 口腔扁平上皮癌 / 分子シャペロン / アノイキス / ガレクチン / 転移 |
研究概要 |
1.上皮細胞において癌転移抑制遺伝子がその癌の転移能に関与していることが知られているが、Nm23の機能については十分理解されていないため相互作用するタンパク質の網羅的な解析を行った。 2.発現ベクターを作製し、大腸菌およびHEK293細胞に導入させてそれぞれのタンパク質を発現させた。このNm23タンパク質を精製後、HEK293細胞を用いたpull-down assayを行い、相互作用タンパク質の精製を行った。これらのタンパク質についてSDS-PAGEにより分離した後、in-gel digestionによりフラグメント化した後LC-MS/MSにより同定を行った。Nm23-H1及びH2では、同定されたタンパク質の種類に大きな違いは見られなかった。またリボソームを構成するタンパク質中、32個(35%)が同定され、Nm23はリボソーム全体と相互作用していることが示唆された。また高次構造がリボソームタンパク質S3(RPS3)に類似しているが、機能未知のタンパク質であるBolA-like2タンパク質(BolAL2)が新規に同定された。BolAL2を強発現させた後、pull-down assayを行なったところ、BolAL2とNm23-H1とは相互作用しているころが確認された。BolAL2とリボソームタンパク質との相互作用も認められた。一方、RPS3は最近Nm23-H1及びNF-κBと相互作用し、腫瘍細胞の浸潤に関与していることが報告されている。従って、このNm23-リボソームタンパク質-BolAL2の相互作用が癌の転移抑制に関与していることが示唆された。 3.上皮由来腫瘍細胞の転移能に重要な要素で、足場依存性の細胞死であるアノイキスについて、関与する因子について探索を行なった。その結果、口腔扁平上皮癌細胞においてgalectin-1がアノイキスを抑制することが示された。
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