研究課題/領域番号 |
18592048
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
上條 竜太郎 昭和大学, 歯学部, 教授 (70233939)
|
研究分担者 |
片桐 岳信 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80245802)
宮本 洋一 昭和大学, 歯学部, 准教授 (20295132)
高見 正道 昭和大学, 歯学部, 講師 (80307058)
山田 篤 昭和大学, 歯学部, 講師 (50407558)
|
キーワード | BMP / ヒストン / メチル化 / アセチル化 / 骨芽細胞分化 |
研究概要 |
申請者は骨誘導因子BMP-2により骨芽細胞へ分化が誘導される際、エピジェネティック制御に関わる遺伝子を網羅的に解析し、その中でBMPシグナルを制御する遺伝子を探索することにより新規の骨芽細胞分化誘導機構を解明するため、以下の実験を行なった。未分化なマウス筋芽細胞株(C2C12細胞)にBMP-2(400ng/ml)を4日間処理し、骨芽細胞へ分化させた際、発現様式に変化のある遺伝子をマイクロアレイ解析により検討した。その結果、ヒストンタンパク質のメチル化に関与する酵素Dnmt(de novo methylation transferase)ファミリータンパク質、Dnmt3A、3BはBMP-2処理により発現の上昇が認められ、Dnmtlは発現の低下が認められた。また、HDAC(hi stonedeacetylaselファミリータンパク質、HDAC5はBMP-2処理により発現の上昇が認められ、HDACl、2、3、6、7Aは発現の低下が認められた。以上の結果は、BMP-2が骨芽細胞の分化過程において、エピジェネティック制御に関与する遺伝子の発現を制御していることを示唆している。また、ヒト遺伝子においてプロモーター内のDNAメチル化によるエピジェネティックな遺伝子発現制御が行なわれているといわれているgremlinはBMP-2処理により骨芽細胞への分化とともに発現の低下が認められた。gremlin(別名、downregulated by v-mos:drm)はdan(differential-screeningselected gene aberrative in neuroblastomalファミリータンパク質に属するBMPアンタゴニストで、生体内におけるBMPシグナルを介した様々な細胞の分化・増殖に関与していることがいわれている。BMP-2によるgremlinの発現制御機構がDNAメチル化によるものかどうか、今後の検討課題である。
|