研究課題/領域番号 |
18592062
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前田 隆史 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (80324789)
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研究分担者 |
古川 惣平 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80173524)
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キーワード | カートデューシン / 成長因子 / 軟骨細胞 / 軟骨前駆細胞 / 骨形成 / MAPキナーゼ / PI3キナーゼ / 血管内皮細胞 |
研究概要 |
軟骨内骨化および骨の成長は種々の成長因子やホルモンにより維持・調節されていることが知られているが、その分子レベルでの調節機構は完全に明らかになったとは言えず、既知の因子のほかにも新たな調節因子が関与している可能性があり、未だ不明な点が多い。われわれは以前、軟骨から分泌される新規蛋白を同定しカートデューシンと名付けた。最近われわれはカートデューシンは軟骨前駆細胞および軟骨細胞の増殖を促進することにより、軟骨内骨化および骨の成長を調節する新たな成長因子である可能性を明らかにしたが、その骨形成促進作用機構の詳細については不明であった。 今年度の研究では、カートデューシン遺伝子が軟骨の無血管領域である増殖層に発現していることに着目し、血管内皮細胞に対する血管新生抑制効果が存在するのではないかという仮説をたてて検討した。具体的には、マウス血管内皮細胞株MSS31を用いて、血管新生におけるCartducinの効果をin vitroで検討した。すなわち、(1)BrdUの取り込みを指標として血管内皮細胞の増殖に対する影響、(2)培養用チャンバーを用いて内皮細胞の遊走能に対する影響、(3)それらの作用に関わるシグナル伝達経路、を調べた。その結果、カートデューシンには仮説とは逆にMAPキナーゼ経路を介して血管内皮細胞の増殖および遊走を促進する新たな作用があることが明らかになり、軟骨内骨化の最終段階における血管侵入に関与している可能性が示唆された。以上のように、われわれが発見した新規蛋白カートデューシンが成長板軟骨の増殖軟骨や軟骨前駆細胞から分泌され、増殖因子および血管新生因子として内軟骨性骨化における骨格の形成・成長を調節する重要な役割を果たしていることを本研究課題で明らかにした。
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