研究概要 |
18年度-20年度の基礎実験で、造影前T_1mapを作成し、dynamic studyの信号強度変化が把握できれば、造影中のT_1mapの作成、造影剤濃度の算出が可能な事が確認された。 また、本年度は、臨床に応用し、同意を得た6名の患者に造影剤を投与後の造影剤濃度の算出を行った。dynamic studyに先だち、Look-Locker法による高速撮像を行い、造影前T_1mapの作成を行った。次に、Magnevist(Gd-DTPA)の投与をおこない、dynamic studyを行った。基礎的実験に基づいて、造影剤濃度の算出を行った。 次に造影剤濃度の変化を元に、代表的な2コンパートメントモデルであるToft and Kermode model (TK model)を適応し、Gd造影剤のpermeabilityに関するparameterの検出を試みた。その結果、transfer constant(K^〈tras〉)、etracellular extravascular spaceの割合(v_e)を我々の開発したアプリケーションで算出する事が可能であった。 今回の症例のK^〈trans〉map,V_e,mapでは、腫瘍のK^〈trans〉は、0.56-1.14(min^-1)であり、舌0.08-0.13(min^-1),咬筋0.10-0.14(min^-1)などと比較し高い値であった。また、腫瘍のv_eは、0.51-0.82であり、舌0.15-0.26(min^-1,咬筋0.20-0,31などと比較し高い値であり、組織の特徴を捉えた値と考えられた。今後、さらに症例を増やして行くことにより、病変の鑑別、放射線治療、化学療法の治療効果判定、治療効果予測などにも活用できる可能性があると思われた。
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