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2008 年度 実績報告書

臨床的スミア層の超微細構造解析と簡略化ステップ接着システムの接着性能に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 18592080
研究機関北海道大学

研究代表者

井上 哲  北海道大学, 病院, 講師 (80184745)

研究分担者 田中 享  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (90179771)
池田 考績  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (90222885)
キーワード簡略化ステップ接着システム / 臨床的スミア層 / 透過型電子顕微鏡 / 微小引張り強さ / サーマルサイクリング / 走査型電子顕微鏡
研究概要

1.臨床的スミア層の超微細構造に関する研究
平坦な象牙質面を得た後、厚いスミア層を形成するレギュラーダイヤモンドバーおよび薄いスミア層を形成する#2000耐水研磨紙でスミア層を付与し、2種の簡略化ステップ接着システム(トライエスボンド(S3)およびアブソリュート(AB))で処理後、光硬化せずにアセトン洗浄し、通法に従い蒸着後、走査電子顕微鏡(SEM)観察した。その結果、S3はスミア層の厚さが異なる研削面によりスミア層の除去程度は異なったが、ABでは研削面の違いによらずスミア層を除去した。
2.接着性能に関する研究
スミア層の厚み(レギュラーダイヤモンドバーおよび#2000耐水研磨紙でスミア層を付与した場合)と接着材のプライマーのpH(スミア層の脱灰能)が接着性能に及ぼす影響を調べるため、前年度に作製したS3とABを用いた試料の10万回サーマルサイクル(TC)負荷試験が終了したので、微小引張り接着試験とTEM観察を行った。
(1)接着強さ : その結果、コントロール(TcO回)においては、S3は#2000研削面に比較し、レギュラー研削面への接着強さが有意に低かったが、ABでは研削面の違いによる接着強さに有意差はなかった。また100000回TC負荷後、いずれの接着システムも接着強さは有意に減少した。
(2)TEM観察 : いずれの接着システムも接着界面の劣化を示す像が観察された。
以上より、スミア層の除去能が低いシステムでは、厚いスミア層の場合、スミア層が残存し接着性能に影響を及ぼすこと、システムによってはその厚さに拘らずスミア層を除去でき、接着性能に影響しないものもあること、1ステップ接着システムは長期的に接着性能が低下することが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] スミヤー層が1ステップ接着システムの短長期的象牙質接着性能に及ぼす影響2009

    • 著者名/発表者名
      福岡杏理、小城賢一、井上哲、吉田靖弘、田中享、池田考績、鈴木一臣、佐野英彦
    • 雑誌名

      日本歯科保存学雑誌 52

      ページ: 27-38

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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