研究課題/領域番号 |
18592097
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
須田 朋代 明海大学, 歯学部, 助教 (60226579)
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研究分担者 |
片山 直 明海大学, 歯学部, 教授 (10105596)
田島 雅道 明海大学, 歯学部, 講師 (70130995)
龍田 恒康 明海大学, 歯学部, 講師 (40245163)
岩坂 憲助 明海大学, 歯学部, 助教 (60424058)
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キーワード | 生体材料 / 再生医学 / 歯学 / 歯髄 / PRP |
研究概要 |
申請者は現在までに、PRPから血漿成分を除去した洗浄血小板を応用することにより、血小板中の増殖因子の効果を有効に作用させることができることを明らかにしており、この改良PRPのヒト歯髄細胞の増殖・分化に与える効果を詳細に検討することにより、歯髄組織保存再生療法実現の為の一助としたいと考えた。平成20年度までの研究結果から、PRPそれ自身は歯髄細胞に対して有意な増殖促進効果を示さないこと。PRPから血漿成分を除去し、洗浄血小板とすることにより血小板中の増殖因子を有効に作用させることができること。しかしながら、血漿を除去することにより、臨床応用を計る上で、創傷部位に増殖因子の濃度を維持するための何らかの架橋体が必要であることが明らかとした。そこで本年度は、臨床応用への現実性を持たせるため、増殖因子に対する架橋体の検索、ラットを用いてのvivoにおける効果の確認も行い改良PRP療法の臨床応用への可能性を確認し、以下の結果を得た。 1)ヒト歯髄細胞の増殖及び分化に及ぼす新架橋体の検索:ヒト歯髄細胞の増殖及び分化及ぼすアルギン酸創傷被覆材の影響は、ごく僅かであった。そごで、アテロコラーゲン皮膜による被覆材を検討したところ、同材料は有意にヒト歯髄細胞の増殖、分化を促進できることが明らかとなった。しかしながら、このコラーゲンのソースはウシであるため、本研究課題の根幹となる自己由来因子としての観点からは受け入れ難い。 2)実験的ラット生活歯髄切断創に対する洗浄血小板の効果:微少なラット歯髄創面に貼薬するため、石灰化面積の検索が困難であるが、有意な治癒促進効果が得られてる。以上め結果から、改良PRP療法は、より臨床応用可能な段階へ近づいた。
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