研究課題/領域番号 |
18592105
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 順正短期大学 |
研究代表者 |
中村 真理子 順正短期大学, 保健科, 教授 (90284067)
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研究分担者 |
吉田 靖弘 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教授 (90281162)
鈴木 一臣 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30050058)
高橋 利近 順正短期大学, 保健科, 教授 (60135952)
石川 邦夫 九州大学, 歯学研究科, 教授 (90202952)
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キーワード | 天然多糖 / カルシウム塩 / 直接覆髄 / Fibrinogen / Thrombin |
研究概要 |
歯髄保護の重要性は、歯科医師全てが認識する共通の見解であるが、臨床の場で直接覆髄よりも抜髄を選択する歯科医師が多いのは直接覆髄材に対する信頼の欠如に他ならない。本研究ではこれまでのノウハウを生かし、再生医療のために開発された生理活性物質の固定用材料である光硬化型ゼラチン、天然多糖の誘導体、アミノ酸系モノマーなどの先端材料を併用することにより、歯髄組織再生能を供えた高次覆髄材の開発を目指した。本年度の研究成果を以下に示す。 1.天然多糖の誘導体とカルシウム塩を混和したものを蒸留水で練和することにより、硬化することを確認した。本研究ではこの硬化体を直接覆髄材として使用することを目指している。そのため、ウイスター系8週齢雄性ラットを用いて、本薬剤の有効性についての確認を行った。 方法:8週齢雄性ウイスター系ラットの上顎臼歯に窩洞形成を行い露髄させる。露髄面を上記処方により作製した混合粉末を蒸留水で練和したもので直接覆髄したのち、メガボンドとプロテクトライナーにて充填した。一週間経過したのち屠殺。上顎臼歯ならびに肝臓を摘出し、薬剤の歯髄ならび生体への影響の調査を行った。 結果:上記薬剤にて直接覆髄を行った上顎臼歯のヘマトキシリンーエオジン染色標本を光学顕微鏡にて観察した結果、歯髄に著明な炎症反応は認められなかった。また肝臓の組織標本にも変化は認められなかった。 2.生理活性物質を直接覆髄材に添加することにより、歯髄の再生能を有する直接覆髄材の開発を目指している。その第一段階として生理活性物質を包埋・固定する材料としてFibrinogenとThrombinを用いた。両者を混合することによりgel状になることが確認されたため、生理活性物質を包埋・固定する材料として有用であると考えられる。また、物性はFibrinogenとThrombinの濃度を変化させることにより調整できた。
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