研究課題/領域番号 |
18592111
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川田 哲男 東北大学, 大学院歯学研究科, 大学院非常勤講師 (80292225)
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研究分担者 |
佐々木 啓一 東北大学, 大学院歯学研究科, 教授 (30178644)
鈴木 治 東北大学, 大学院歯学研究科, 教授 (60374948)
鎌倉 慎治 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (80224640)
小山 重人 東北大学, 病院・助教授 (10225089)
羽鳥 弘毅 東北大学, 大学院歯学研究科, 助手 (40372320)
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キーワード | リン酸オクタカルシウム / OCP-コラーゲン複合体 / 骨造成 / 形態付与性 / 骨再生材料 |
研究概要 |
本研究の目的は、形態付与性を具備するOCP-コラーゲン複合体の吸収性、骨形成能の最適化を図り、さらに本材料を三次元的に任意の形態に成形する方法を動物実験において確立することである。これは言い換えると、吸収が少なく速やかに骨に置換するため、理想形態を作ることが可能な骨再生材料を用いて、顎骨を必要な形態かつ三次元的に骨造成・再建する方法を開発することである。 これまでの研究で、OCP-コラーゲン複合体は、自己修復の起こらない大きさの骨欠損内に埋入すると、生体内吸収に伴って、ハイドロキシアパタイトや第三リン酸カルシウムと比較して、速やかに骨に置換することがわかっている。 今年度は、直径9mm、厚さ3mmのOCP-コラーゲン複合体を12週齢のWistar系ラットの頭蓋冠骨欠損内および頭頂骨上骨膜下に埋入し、観察期間を4週、8週、12週に設定して骨形成能の検討を行った。その結果、骨欠損内では優れた骨形成能を示した本材料が、骨膜下では埋入後12週でほぼ吸収される結果となった。酒石酸耐性酸性フォスファターゼ(TRAP)染色を行ったところ、骨欠損内の試料よりも、骨膜下の試料で、吸収性細胞と思われるTRAP陽性多核巨細胞が多く観察された。埋入部位により骨形成が起こるか、骨形成がおこらずインプラント体の吸収となるか、異なる挙動を示したのは極めて興味深い所見であった。 今後は埋入条件を変化させ、試料の吸収または骨置換にどのようなファクターが関わるのか、引き続き動物実験を行い検討する必要がある。
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