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2007 年度 実績報告書

内分泌撹乱物質を自己消滅・固定化させる次世代歯科用レジン

研究課題

研究課題/領域番号 18592113
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

門磨 義則  東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (00092403)

キーワードBis-GMA / ビスフェノールA / ラジカル
研究概要

Bis-GMA中に存在するビスフェノールA(BPA)を自己消滅・固定化させて,極めて安全性の高いBis-GMA含有歯科用レジンを創製するために,ベースモノマーを始めとして様々な重合性組成物を検討した.その過程で,試作レジン組成物を調製する際に配合する充填剤にもBPA捕捉作用があることを見出した.重合開始剤,重合禁止剤,連鎖移動剤などはレジン組成物中に配合できる量はたかだか数%程度であるのに対して,通常,充填剤は50%を超えて配合されるので,充填剤にBPA捕捉作用があれはその効果は絶大であるといえる.このような手法は,これまで全く報告されていないことから,主として充填剤によるBPA捕捉について様々な検討を加えた.その研究成果を以下にまとめた.
1.充填剤の中では,アルミナ系の充填剤に有効なBPA捕捉効果が認められた.中性と塩基性の活性アルミナを用いると,カラム処理では,前者が94.3%,後者がほぼ100%のBPAを捕捉した.また,溶液中に分散させた処理でも,BPA捕捉作用が確認された.
2.アルミナを50%配合した,Bis-GMA-トリエチレングリコールジメタクリレート(等量混合)試作レジンでは,カンファーキノンとジメチルアミノエチルメタクリレートを組み合わせた重合開始剤で容易に可視光線重合させることが可能であり,活性アルミナによる重合開始反応への顕著なる悪影響は認められなかった.
3.活性アルミナによるBPA捕捉性能を評価するために,試作レジン組成物中に大量のBPAを添加した後,硬化させて,BPA加速溶出試験を実施した.活性アルミナでは塩基性の方が中性よりもBPA溶出量の低減化が顕著であった.このように,塩基性の活性アルミナによるBPAの自己消滅・固定化の可能性が明らかとなった.さらなる性能の向上のためにも,アルミナの形状や表面処理も今後検討する必要がある.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Radical-scavenging activity of estrogen and estrogen-like compounds using the induction period method2007

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Kadoma
    • 雑誌名

      Int. J. Mol. Sci. 8

      ページ: 295-303

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Kinetic radical-scavenging activity of colchicine and tropolone2007

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Kadoma
    • 雑誌名

      In Vivo 21

      ページ: 481-486

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Comparative radical-scavenging activity of curcumin and tetrahydro-curcumin with thiols as measured by the induction period method2007

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Kadoma
    • 雑誌名

      In Vivo 21

      ページ: 979-982

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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