研究課題
基盤研究(C)
ジルコニアの加工は歯科用CAD/CAMシステムによる器械切削が一般的であるが、高価なシステムが必要なことや切削工具の摩耗が問題であった。一方、工業界でセラミックスの加工に使用されている電気泳動堆積(EPD)法は緻密で均一な膜成形が可能であり、複雑形状にも対応できることが知られている。そのため、EPDによる成形が可能なセリア系ジルコニア/アルミナのナノ複合化材料を開発できれば、高強度・高靭性で耐久性に優れたオールセラミッククラウンやブリッジのセラミックフレームが容易に製作できるものと考えられる。そこで本研究は、電気泳動堆積に最適化した歯科用ナノコンポジット材料を開発することを目的として、使用材料や条件を様々に変化させて検討を行った。本実験で使用したCe-TZPとAl_2O_3との混合粉末における等電点はpH8.5付近であった。また、pHの低下に伴いゼータ電位の絶対値は上昇し電気泳動速度も大きくなるが、pH7付近で最大堆積量となった。本実験の混合粉末においてスラリーの濃度・電圧ともに高い方が堆積量が多くなったことから、ある程度濃度と電圧を高く設定しpHを7付近に設定することが電気泳動に最適であることが明らかなった。また、高温でCe-TZPとAl_2O_3の複合化を促進させた粉末をさらに微細な粉末に調整できれば、EPD時に歯科用のセラミックフレームに十分な厚みが得られ、さらに優れた物性が発揮できる材料を開発できることが明らかとなった。
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