研究課題/領域番号 |
18592149
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
木本 克彦 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (70205011)
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研究分担者 |
李 昌一 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (60220795)
吉野 文彦 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教 (20308307)
青木 宏道 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教 (50350533)
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キーワード | 老化促進モデルマウス / フリーラジカル / 海馬 / 咀嚼不全 / 抜歯 / ESR |
研究概要 |
咀嚼不全や軟性食事などの口腔環境因子が高次脳へ何らかの影響を及ぼしていることは示唆されているもののアルツハイマー病(AD)を含めた認知症の発症との関連性についての報告はない。このようなことから、本研究は、口腔環境因子がADの発症を予防あるいは遅延することが出来るか否かを知る目的で、脳内の神経伝達物質やフリーラジカルの動態について調べる。本年度は、脳内のフリーラジカルの動態について実験を行った。 今回は実験動物として老化アミロイドーシス、学習・記憶障害を発症する老化促進モデルマウス(以下SAMPと略す)を使用した。実験方法はSAMPマウスの2ケ月齢時に上顎臼歯部を全て抜歯し、抜歯群(咀嚼不全群)と非抜歯群(コントロール群)に分類し、1カ月後、ESR装置を用いて脳内のフリーラジカルの変化を測定し、比較検討を行った。 実際のフリーラジカルの測定は、Pentbarbital 0.2mg/kg(Nembutal:大日本製薬社製)の腹腔内投与による全身麻酔下でMC-PROXYLを尾静脈より注入し、30秒後に脳の摘出を開始。MC-PROXYL投与から2分後にL-band ESR(JES-RE 3X型)にて脳のMC-PROXYLの減衰速度の測定を行った。 その結果、抜歯後1ケ月後では両群間に有意な差は認められなかった。これは臼歯喪失の期間が短く若齢期で老化がほとんど進んでいないため影響が少なかったと考えられる。SAMマウスの特徴として4〜6ケ月齢で老化が急速に進行するという報告があることから、今後は抜歯してから測定までの期間を長くして検討していく必要がある。
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