研究課題/領域番号 |
18592169
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小林 正治 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80195792)
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研究分担者 |
田中 孝明 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (00217043)
江尻 貞一 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (40160361)
泉 直也 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (10361908)
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キーワード | 歯学 / 顎変形症 / 下顎骨延長術 / 骨形成促進 / 徐放型薬物 |
研究概要 |
1.ラット下顎骨骨延長に関する細胞組織学的知見 ラット下顎骨骨延長における下顎骨下縁の骨再生過程に注目し、その詳細な細胞組織学的検討を行った。実験には12週齢Wistar系雄性ラットを用いた。ラットを麻酔し、右側下顎骨の第2臼歯と第3臼歯間に骨切り部を設定して骨延長装置をチタンスクリューにて固定した後骨切りを行い、骨延長装置の拡大によって骨が離開する事を確認して縫合した。5日間の待機期間の後、12時間毎に0.2mmの骨延長を10日間(計4mm)行った。5日間の待機終了後(L5D)、延長開始3日後(D3D)、延長開始6日後(D6D)、延長開始10日後(D10D)、延長終了1週後(CIW)、延長終了3週後(C3W)、延長終了6週後(C6W)、延長終了10週後(C10W)に麻酔を施した後、緩衝4% paraform aldehydeを用いて灌流固定した。μCT所見では、C1WからC3Wにかけて間隙部に新生骨領域を示すX線不透過像が認められ、C6W、C10Wにおいて間隙部は新生骨によって埋められていた。組織学的所見では、C1Wで間隙の中央部は密な線維性組織で占められており、ALPase免疫反応陰性で血管からやや離れた領域中にType II collagen免疫反応陽性基質に囲まれた線維軟骨細胞が認められた。C3WではType II collagen免疫陽性軟骨組織は拡大しており、周辺部は線維軟骨様を、中央部は硝子軟骨様を呈し、軟骨内骨化が生じている事が示された。以上のように、下顎骨は膜性骨であるにもかかわらず、骨延長時の骨再生過程では、膜性骨化のみならず軟骨内骨化による骨新生が生じている事が明らかとなった。また、軟骨細胞の分化には牽引力の減少と基質の量や酸素分圧の影響が関与している可能性が示唆された。 2.薬物徐放材料の開発 手術後の組織の再生を促進するために細胞増殖因子を徐放する材料の開発を検討している。平成18年度はラット繊維芽様細胞の増殖に対する塩基性繊維芽細胞増殖因子の効果を検討した。
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