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2006 年度 実績報告書

RNA干渉を応用した顎骨の炎症性骨破壊病変に対する新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18592188
研究種目

基盤研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

窪田 泰孝  九州大学, 大学病院, 講師 (60205151)

研究分担者 白砂 兼光  九州大学, 歯学研究院, 教授 (30093420)
キーワードRNA干渉 / 顎骨 / 骨吸収 / 破骨細胞
研究概要

顎骨破壊性病変である角化嚢胞性歯原性腫瘍の詳細な発育機構については未だ不明な点が多い。顎骨内での発育には病変周囲の骨吸収が不可欠であるが、骨吸収にはカテプシンやマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)などの蛋白分解酵素の産生や破骨細胞の分化誘導と活性化が必要で、その制御に炎症性サイトカインの関与が示唆されている。本腫瘍では、炎症性サイトカインであるインターロイキン-1α(IL-1α)が強く発現している事を我々は明らかにしている。本研究ではまず、IL-1αの腫瘍を構成している角化嚢胞性歯原性腫瘍由来線維芽細胞におけるCyclooxygenase (COX)-2 mRNAの発現について検討を行った。その結果、IL-1αは線維芽細胞においてCOX-2の発現を高め、プロスタグランディンE_2(PGE_2)の産生を増し、そのPGE_2は線維芽細胞自身に作用して破骨細胞の分化誘導因子であるマクロファージコロニー刺激因子やreceptor activator of nuclear factor κB ligand(RANKL)の発現を間接的に増強させることが明らかとなった。また、角化嚢胞性歯原性腫瘍由来線維芽細胞の細胞膜上にはカルシウム感受性受容体が発現しており、細胞外カルシウム濃度の上昇がそのカルシウム感受性受容体を刺激してCOX-2の発現を高めてPGE_2の産生を増強させることが判明した。この事より、骨吸収によって遊離したカルシウム自体が骨吸収をさらに増強させると考えられた。以上より、IL-1αが本腫瘍の骨破壊の初期において重要な役割を演じる事が明らかとなった。19年度では、RNA干渉によって角化嚢胞性歯原性腫瘍由来線維芽細胞による骨破壊の抑制の可能性について検討する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Signaling pathways regulating IL-lα-induced COX-2 expression.2007

    • 著者名/発表者名
      S.Ogata, Y.Kubota, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Dental Research 86

      ページ: 186-191

  • [雑誌論文] Ca^<2+> stimulates COX-2 expression through calcium-sensing receptor in fibroblasts.2006

    • 著者名/発表者名
      S.Ogata, Y.Kubota, et al.
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications 351

      ページ: 808-814

  • [雑誌論文] 鼻咽腔閉鎖不全に対する軟口蓋挙上装置の効果.2006

    • 著者名/発表者名
      二宮史浩, 窪田泰孝, 他
    • 雑誌名

      日本口蓋裂学会雑誌 31

      ページ: 1-6

  • [雑誌論文] 歯痛や歯周病症状を初発症状とした顔面領域の帯状庖疹の3例.2006

    • 著者名/発表者名
      平木昭光, 窪田泰孝, 他
    • 雑誌名

      日本口腔外科学会雑誌 52

      ページ: 551-555

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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