研究課題/領域番号 |
18592192
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
金村 成智 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (70204542)
|
研究分担者 |
山本 俊郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (40347472)
雨宮 傑 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (90398389)
足立 圭司 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (70457951)
|
キーワード | 移植・再生医療 / 再生医学 / 細胞・組織 / 歯学 / 臨床 |
研究概要 |
近年歯科口腔外科領域において、口腔外科手術後における口腔再建に、患者の口腔粘膜上皮細胞を採取し、生体外で増殖・分化させ培養口腔粘膜上皮を作成、自己移植する報告が散見される。また羊膜は、胎盤の最表層を覆う薄膜で抗炎症、血管新生抑制、瘢痕抑制作用などを有し、様々な上皮細胞の培養基質として適していることが知られている。今回われわれは、羊膜を基質とした口腔粘膜上皮細胞の培養を行い、培養口腔粘膜上皮シートを作成した。そしてこの培養上皮シートを用いた新たな再生医療的手術療法の確立を目指し、同シートの自家移植を行いその有用性について検討を行った。京都府立医科大学医学倫理審査委員会の許可を得た上で、口頭及び文書にて患者の同意を得た後、口腔外科手術予定患者(7症例)の口腔粘膜を採取した。そして口腔粘膜上皮細胞を分離後、羊膜上にて約2週間培養を行い、培養上皮シートを作成した。そして、同患者の口腔外科手術後における口腔粘膜上皮欠損部位に対し、培養上皮シートを羊膜ごと自家移植した。自家移植全例において、術中における培養上皮シートの強度や操作性に問題なく、術後において移植部位における拒絶反応や感染など異常所見なく生着し、新しい粘膜上皮が獲得された。また、術後1年以上経過した症例(3症例)においても病変の再発や組織拘縮を認めず経過は極めて良好である。われわれが作成したこの羊膜上培養口腔粘膜上皮シートは、粘膜上皮再建に有用なものとなりうることが示された。
|