研究概要 |
本研究は口腔扁平上皮癌を多因子疾患としての面から捉え、その発症原因に関わる疾患感受性遺伝子の解析を行うことを目的としている。さらに、我々のこれまで研究で見いだされたMICA型と本疾患との相関が可溶性MICA分子と関連するのかについて、ELISA法を用いて末梢血内に存在する可溶性MICAタンパクの発現量を調べ、本疾患における可溶性MICA分子の機能解析を行う。研究経過および実績は、まず試料収集は研究代表者が奈良県立医科大学口腔外科外来にて、適切なインフォームドコンセントを得た後に本疾患患者から10mlの採血を行っている。DNA抽出は、法医学教室において、研究分担者の指導のもとに実験補助員が行っており、具体的にはMICA遺伝子マイクロサテライトタイピングをGeneAmp-PCRシステム9700にてMICA遺伝子の膜貫通領域をコードするexon5のマイクロサテライト領域を増幅しており、DNAシークエンサーにてマイクロサテライトタイピングを行い、MICA-A4,A5,A5.1,A6,A9とに分類し遺伝子多型を解析している。全HLA領域における1塩基多型(SNPs)タイピングは、海外研究協力者により作製されたプライマーをもとに、研究分担者が実験補助員とともに行っている。また、可溶性MCA蛋白の定量もサンドイッチELISA法により可溶性蛋白を定量測定しており、MICA遺伝子マイクロサテライトタイピングの遺伝子多型と、可溶性MCAタンパク発現量との関連を慎重に解析中である。
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