研究課題/領域番号 |
18592194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
高橋 哲 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60226850)
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研究分担者 |
後藤 哲哉 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (70253458)
小林 繁 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (10118078)
宮崎 敏樹 九州工業大学, 工学部, 助教授 (20324973)
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キーワード | インプラント / チタン / BMP-2 / Herarin / 擬似体液 / アルカリ加熱処理 / 骨芽細胞 / Hydroxyapatite(HA) |
研究概要 |
BMP-2は、骨形成を促進する働きを持っている。さらに、HeparinはBMPの作用を増強させることが報告されている。そのため、BMP-2とHeparinを同時に、活性を失うことなくチタン表面に固定する事ができれば、強力な生体活性を示すインプラント材料になると考えられる。BMP-2の担体としてHydroxyapatite(HA)は有用である。そこで我々はチタン表面をアルカリ加熱処理した後、擬似体液(SBF)に浸漬することによってHA層を生物学的にコーティングする方法に着目した。この方法を応用してHA層にBMP-2およびHeparinを取り込ませる事を試みた。 純チタン金属にアルカリ加熱処理を施し、SBF中に10日間浸漬した。一部の試料にはSBFにBMP-2およびHeparinを加え、さらに4日間浸漬した。SEMおよびEDXを用いて表面分析を行った。免疫金コロイド電顕法を用いて析出HA表面のBMP-2を標識した。 MC3T3-E1細胞を播種し、培養8日目にALP活性を測定した。培養14日目にRT-PCR法にてosteocalcinのmRNAを半定量的に測定した。 SBFに浸漬後、アルカリ加熱処理チタン表面にHAがコーティングされた。BMP-2を加えた試料では、析出HA上にBMP-2の存在が確認できた。培養8日目にALP活性がBMP-2濃度依存的に増加し、Heparinを入れたものではさらに増強した。培養14日目ではosteocalcinの発現においても同様の結果であった。 生体環境下に限りなく近い状態でコーティングが遂行されたため、BMP-2は活性を失うことなくHAに取り込まれた事が示唆された。また、高価なBMP-2にHeparinを作用させる事により、少量のBMP-2で、骨形成が増強される可能性が示唆された。
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