研究概要 |
BMP-2は、骨形成を促進する働きを持っている。さらに、HeparinはBMPの作用を増強させることが報告されているそのため、BMP-2とHeparinを同時に、活性を失うことなくチタン表面に固定し強力な生体活性を示すインプラント材料を開発してきた。これまで、開発したインプラント材について、in vitroで生物学的に評価し、マウスの骨芽細胞に対して強力な生物活性を有することがわかった。平成20年では、このインプラント材料の臨床応用に近づくためにin vivoにおいて骨誘導性を検討した。直径1mm長さ2mmのインプラント体を作製し,ラット脛骨に埋入を行い,このインプラント周囲での新生骨形成能を評価した.埋入後1週および3週における新生骨量および,埋入後3週でのインプラント骨界面の骨接触率を測定し,組織形態学的分析により評価を行なった. インプラント周囲の新生骨ha埋入3週後では純チタンインプラント(1129.8±46.4,121.7±92)に対して, BMP-2/Heparin含有アパタイトコートインプラント(1516.9±55.8,305.4±20.7)は有意に増加した.また,インプラント骨界面の骨接触率(%)においても,純チタンインプラント(47.4±2.7)に対して, BMP-2/Heparin含有アパタイトコートインプラン(74.3±3.0)は有意に増加した。 これらの結果より,埋入後3週におよぶBMP-2の活性が維持されたことが示唆された.in vitroの研究に続き、ラット脛骨を用いたin vivoにおいてBMP-2/Heparin含有アパタイトコートインプラントは,強い骨誘導能を持つ有用なインプラントであることが明らかとなった。このことからBMP-2含有アパタイトコートインプラントの臨床応用がかなり近づいkた。
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