研究課題/領域番号 |
18592196
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
高野 裕史 秋田大学, 医学部, 助教 (30282172)
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研究分担者 |
高橋 哲 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60226850)
宮本 洋二 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20200214)
福田 雅幸 秋田大学, 医学部, 准教授 (20272049)
永井 宏和 秋田大学, 医学部, 講師 (50282190)
中田 憲 秋田大学, 医学部, 助教 (50400510)
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キーワード | 歯学 / 細胞・組織 / ストレス |
研究概要 |
ラット膝関節からの滑膜組織を用いた予備実験にて滑膜細胞に圧縮ストレスを加えると ・TNF-αmRNAの発現を誘導し、恒常的に発現するCOX-2 mRNAの発現を増強させた。 ・IL-1β, COX-1については圧縮ストレスを加えても発現に変化はなかった。 ・圧縮ストレスによるCOX-2 mRNA発現の増強はCyclooxygenase阻害剤であるインドメタシンによって抑制さたがTNF-α mRNAの発現誘導はインドメタシンの添加に影響はなかった。 という結果をもとに論文にて成果を発表した。これにより滑膜細胞は機械的圧縮ストレスにより関節破壊や骨変形、疾患の発症や病態形成に関与することが示唆された。 ヒト顎関節滑膜細胞においては、同様の機械的圧縮ストレスにて ・TNF-αmRNAの発現を誘導し、恒常的に発現するCOX-2 mRNAの発現を増強させた。 ・RNAKLmRNAの発現は弱く,OPGについては圧縮ストレスを加えても発現に変化はなかった。 ・圧縮ストレスを加えた顎関節滑膜細胞と単球のによる破骨細胞誘導実験ではTRAP陽性、CTR, VNR陽性でActin ringの形成が認められ、また、象牙切片上で吸収窩を形成したことから破骨細胞が誘導されたと考えられた。 ・圧縮ストレスを加えない群とのTRAP陽性多核巨細胞数の比較では、ストレスを加えることによって細胞数の増加傾向が認められたが、有意差は認められなかった。 破骨細胞誘導実験においては、ヒト顎関節滑液中の細胞からの破骨細胞誘導、また、滑液由来の線維芽細胞と単球の共培養による破骨細胞誘導をおこない、顎関節滑膜細胞の破骨細胞形成支持能を証明し、論文として成果を発表した。 本研究にてわれわれは、顎関節滑膜細胞圧縮培養システムを確立し、顎関節滑膜細胞は圧縮ストレスの刺激を受け、破骨細胞を誘導し関節破壊の病態形成メカニズムの一端を担うものと考えられた。
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