研究課題
基盤研究(C)
[ラット膝関節からの滑膜組織を用いた実験]滑膜への圧縮ストレスにて・TNF-αmRNAの発現を誘導し、恒常的に発現するCOX-2mRNAの発現を増強させた。・COX-2mRNA発現の増強はCyclooxygenase阻害剤であるインドメタシンによって抑制された。これにより滑膜細胞は機械的圧縮ストレスにより関節破壊や骨変形、疾患の発症や病態形成に関与することが示唆された。[ヒト顎関節滑膜細胞を用いた実験]同様の機械的圧縮ストレスにて・TNF-αmRNAの発現を誘導し、恒常的に発現するCOX-2mRNAの発現を増強させた。・RANKLmRNAの発現は弱く,OPGについては圧縮ストレスを加えても発現に変化はなかった。・圧縮ストレスを加えない群とのTRAP陽性多核巨細胞数の比較では、ストレスを加えることによって細胞数の増加傾向が認められたが、有意差は認められなかった。[破骨細胞誘導実験]・ヒト顎関節滑液中の細胞からやまた、滑液由来の線維芽細胞と単球の共培養から破骨細胞を誘導した。・破骨細胞はTRAP陽性、CTR,VNR陽性でActin ringの形成が認められ、また、象牙切片上で吸収窩を形成した。以上の結果から、顎関節滑膜細胞の破骨細胞形成支持能が証明された。本研究にて顎関節滑膜細胞圧縮培養システムが確立され、顎関節滑膜細胞は圧縮ストレスの刺激を受け、破骨細胞を誘導し、関節破壊の病態形成メカニズムの一端を担うものと考えられた。
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