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2009 年度 実績報告書

メトキシフェノール関連化合物による転写因子活性化調節作用を探る

研究課題

研究課題/領域番号 18592197
研究機関明海大学

研究代表者

村上 幸生  明海大学, 歯学部, 准教授 (00286014)

キーワードメトキシフェノール化合物 / 転写因子 / 天然植物性フェノール / COX-2 / フェノール作用 / P. gingivalis線毛 / bi-phenol / melatonin
研究概要

優れた抗酸化剤であり香料、食品、化粧品、医薬品として広く応用されている天然植物フェノール関連化合物は抗炎症作用や、口腔前癌病変の発癌予防効果を示すことが知られている。しかしこれらの化合物は、構造特異的にフェノール性OH基から水素原子を引き抜かれ、自動酸化しアレルギーや炎症反応を惹起することが示唆されている。水素原子が引き抜かれにくい構造のフェノール関連化合物を合成し検討したところ、著明な低細胞障害性と高抗酸化活性、炎症性サイトカインやcyclooxygenase (COX)-2発現の抑制作用を有することが判明した。この結果はこれらの化合物がredox-sensitiveな多くの転写因子をnegativeに調節し、炎症や前癌病変の予防剤として有用であることを示唆した。今年度の研究でphenol、p-cresol、phenol二量体(2'2-biphenolと4'4-biphenol)、p-cresol二量体(DDP)、p-methoxyphenolおよび合成二量体、歯周病モデルも考慮に入れ抗炎症性ホルモンと言われているmelatoninとindoleを使用して転写因子活性化とCOX-2発現に及ぼすメトキシフェノール関連化合物の調節作用について検討した。刺激物はEscherichia coli0-111B4由来LPSまたはPorphyromonas gingivalis線毛を使用した。NF-κB活性化はEMSA法とWestern blot法で検討した。COX-2発現はNorthern blot法とWestern blot法で検討した。LPS刺激NF-κBの活性化とCOX-2発現は2'2-biphenolとDDPで明確に抑制された。2'2-biphenolはAP-1の結合も抑制した。TNF-α発現もDDPで著明に抑制された。また、2'2-biphenolとDDPは中等度のフェノール性OH基解離エンタルピー(BDE)を持っていた。一方、線毛刺激のNF-κBの活性化とCOX-2発現はmelatoninで著明に抑制される知見を得た。今年度の研究結果は、メトキシフェノール関連化合物の転写因子調節作用も、その構造特異性に起因した、いわゆるフェノール作用に関連している可能性を示唆した。しかし、その臨床応用にはまだ更なる幅広い知見の蓄積と検討が必要と考える。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Antioxidant and cyclooxygenase-2-inhibiting activity of 4,4'-biphenol, 2,2'-biphenol and phenol2009

    • 著者名/発表者名
      Yukio Murakami, et al
    • 雑誌名

      Anticancer Research 29

      ページ: 2403-2410

    • 査読あり
  • [学会発表] p-クレゾール二量体によるLPS刺激TNF-α発現の調節作用2009

    • 著者名/発表者名
      石井宏明, 村上幸生, 他
    • 学会等名
      第62回日本口腔科学会
    • 発表場所
      アクトシティ浜松
    • 年月日
      2009-04-16
  • [図書] Chapter 5 Cloves(Eugenol), in Molecular Targets and Therapeutic Uses of Spices.Modern Uses for Ancient Medicine2009

    • 著者名/発表者名
      Kadoma, Y., Murakami, Y., et al
    • 総ページ数
      32
    • 出版者
      World Scientific Publishing Co.Pre.Ltd.

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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