口腔癌において診断・予知感受性遺伝子やバイオマーカーを探索するため、今年度は一塩基多型SNPsのリンケージ解析用のサンプル採取・調整および検出条件の決定と一部対象サンプルの解析を行い、また、腫瘍特異的発現タンパク質のプロテオーム解析のための条件検討を行った。 ゲノムワイドなSNPs linkage解析を行うため、コストと検出感度・効率とのバランスからもっと最適な方法を選ぶ条件検討の結果、ビーズアレイ法にて解析することを決定した。Case-control studyを行うにあたり、対照群である健常者184名の血液サンプルからDNAを抽出し、増幅させ、ビーズアレイ法によるSNPs解析を行った。そのうち2例において理由が不明で情報が得られなかったものの、182例のSNPs情報がゲノム上5858箇所のSNPsにおいて得ることができた。次年度に疾患群約100例の解析を行い、候補領域を絞り込む予定である。 また、腫瘍特異的発現タンパク質のプロテオーム解析のための条件検討では、Laser Micro-dissectionで腫瘍部と健常部の組織から抽出し、SELDI-TOF-MS(surface enhanced laser desorption ionization time of flight mass spectrometry)法の検出条件の検討を行った。次年度では、Case-control studyによる腫瘍特異的パターンから特異的発現タンパク質の特定を試みる予定である。
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