研究概要 |
ラット下顎から歯髄細胞を演出し、初代培養系を構築した。幹細胞マーカーであるSTRO-1,Nucleosteminなどの発現を調べた。骨髄幹細胞のin vitio分化誘導系を応用して1)神経系細胞分化および2)脂肪細胞分化を試み、分化程度の評価を行った。1)分化誘導剤としてN-2 PlusMedia Supplement, EGF, FGFを添加し、神経系へ分化誘導を行った。分化誘導前後において4つの項目(1)細胞形態、(2)共焦点レーザー顕微鏡を用いて神経幹細胞マーカーであるNestin(Nes)、ダリア細胞分化マーカーであるglial fibrillary acid protein (Gfap)の発現解析、(3)リアルタイムRT-PCRを用いて、Nes, Gfap,幼若神経細胞分化マーカーであるtubulin-βIII、成熟神経細胞分化マーカーであるmicrotubule-associated protein 2についてmRNA発現定量解析、(4)Nestinタンパク質の発現定量解析を行った。ラット歯髄の初代培養細胞に幹細胞マーカーNesの発現が認められたため、ラット歯髄に神経幹細胞の存在が示唆された。分化誘導に伴い、Nesの発現が減少し、Gfapの発現が増加したことから、用いた分化誘導系においてダリア細胞系譜への分化過程にあることを示した。2)分化誘導剤として、IBMX, Insulin, Dexを添加し、脂肪細胞系へ分化誘導を試みた。Oil Red Oを用いて脂助演を検出し、脂肪分化の指標とした。脂肪分化マーカーであるFabp4,PparyなどのmRNA定量発現解析を行った。分化誘導過程で経時的に総RNAを調製し、Gene Chip解析による約30,000遺伝子の網羅的発現解析を行ない、発現変動する遺伝子のpathway解析を行なう計画である。
|